2012/12/16

『麗しのサブリナ』(Sabrina).1954

数あるお気に入りの映画の中でも一番好きな映画。

現代版シンデレラ、ロマンチックラブストーリー。
大富豪ララビー家お抱え運転手フェアチャイルドの娘サブリナ(オードリー・ヘップバーン)は、ララビー家のプレイボーイの次男デイヴィッド(ウィリアム・ホールデン)に恋をしているが...。

デイヴィッドへの想いを断ち切るため、お料理修業としてパリへ留学し、身のこなしや佇まいまで洗練されて帰ってくるサブリナの美しさと言ったら、・・・言葉もないです。
みどころは何と言っても、そんなサブリナのファッション。数年前に流行ったサブリナパンツはもちろんこの作品のセーリングの場面でサブリナの着用したパンツスタイルがモデルです。(ちなみに、ヨットで蓄音機から流れる歌に合わせてサブリナが口ずさんでいる耳に残るユニークな歌は「バナナは何処♪」というらしい。we have no bananas today~♪)

ファッションと言えば、オードリー・ペップバーンが生涯をとおして親交を温めたデザイナーのジバンシーが衣装提供しているのは有名な話。


この刺繍の美しいイブニングドレスがそのひとつ。

スカートの前が10数センチ短くなっていて、動くたびにチラッと足が見えたり見えなかったり。腰から後ろの部分はボリュームのある巻きスカート風の飾りになっていて、とても凝った作りのドレスです。すごく素敵!


ララビー家の長男ライナス(ハンフリー・ボガート)との、インドアのテニスコートでシャンパンを片手にダンスを踊るこの場面、繰り広げられるウィットに富んだ会話も相まって、ロマンチックで大好き。

しかしながら・・・、このロマンチックなストーリーには不相応と、公開当時は配役に関して評価が低かったと言われるハードボイルドなイメージの代表ハンフリー・ボガート。・・・確かに仏頂面。でも、生真面目な企業家、しっかり者の長男役としてはぴったりハマっていると思うのです。仏頂面で不器用な感じがかえって活きており、監督が「どうしてもボギーで」と拘ったと言われる所以がわかります。

時を経てその普遍性に一層輝きを増す作品。

【出演】
オードリー・ヘップバーン(ローマの休日)
ハンフリー・ボガート(カサブランカ)
ウィリアム・ホールデン(喝采)