大好きなブリジット・バルドー(BB)主演、ゴダール監督作。
イタリアのカプリ島など、景色の美しさもみどころのひとつ。
男女の埋めようのない心理的感覚の差を夫婦間の何気ないやり取りの中に描き出すと共に、商業主義的なハリウッド映画に押されて衰退しつつあったヨーロッパ映画産業の悲哀を描く。
BBの美しい肢体と印象的な夫婦のベッドでの会話の場面からはじまります。BBに釘付け。
脚本家のポール(ミシェル・ピコリ)と女優で妻であるカミーユ(ブリジット・バルドー)夫妻。ポールは映画プロデューサーのジェレミー・プロコシュ(ジャック・パランス)から有名な英雄叙事詩『オデュッセイア』の映画用脚本の改訂という大きな仕事の依頼をされます。後れてその場にやってきたカミーユの美しさに目を留めたプロコシュ、夫妻を自宅へ招こうとします。
ここで、ポールは「致命的な対応」を。
プロコシュの車(Alfa Romeo Giulietta Spider!ステキ♪)は2シーター。プロコシュはカミーユに2人で一緒に乗っていこうとレディーファーストかのような提案をし、ポールもカミーユにそれを促します(ちなみにポールは1人タクシー)。
息をのむ程美しいのですが・・・
何とも言えないカミーユの表情。
「・・・(え、プロコシュと2人?)」
この対応。
ポールは内心カミーユをプロコシュと行かせることに感じるものがあった筈ですが、プロコシュがカミーユを気に入ったことを察したからか、大きな仕事の発注主であるから強く出られなかったのか、鈍い嫉妬心を隠し、余裕風を吹かせたところがある。後からひとりやってくるポール・・・何だか格好悪いです。
この場面、女性の視点からするとまるで売られたかのような気にもなる(←大袈裟)のですが、男性には「今の何が問題なのかわからない」と言われたことが。何が嫌なのか説明しても「・・・そうなの???」とはてなマークだらけでなかなか理解してもらえない、感じ方の違いが面白いなぁと感じた経験があります。
(ちなみに、この場面に関する<私の思う正解>は、「後から2人で伺います(`・ω・´)キリッ」とポールがスマートな対応をしてくれることでしょう。)
結局この対応によって夫婦間に隙間風が吹いてしまいます。
でもポールにはカミーユの意図するところがわからないので、格好をつけてみたり、墓穴を掘ってしまったり、苛々させるようなことを言ったりやったりしてしまいます。
結果、カミーユの棄て台詞、「軽蔑するわ」
「こういうすれ違い、あるある!」、と、ありふれたやり取りに思わず共感してしまう筈。
男性はこれみて女心を学んでね♪
【監督】
ジャン・リュック・ゴダール
【出演】
ブリジット・バルドー(気分を出してもう一度)
ミシェル・ピコリ(ロシュフォールの恋人たち)
ジャック・パランス(バグダッド・カフェ)